野村 秋夫様(ぬくもりの郷グループホーム保護者会 会長)

新米父さん

頭の中ではまだまだと思いながら、しかし、いずれ覚悟もしなければと思う日々でしたが、まさか現実になるとは思わなかったです。
それは、5年少し前の平成26年9月14日の事でした。
善幸の母さんは、その2年程前、病が判明し手術をし、一旦は良くなったのですが、亡くなる年の5月頃から力が低下し、再度入院する事になりました。しかし、その甲斐もなく他界しました。

今まで、善幸の身の回りの事はすべて母さんにまかせ、私も朝起きれば朝食、仕事から帰れば風呂・夕食と当り前に思っていましたが、今思うと気が付くのが遅く、とてもありがたく思っています。
さて、これからは私がと思うと悲しんでいる場合でなく、さあ大変。
幸い善幸は、その年の9月からぬくもりの郷にお世話になる事が決まっていましたので、安心しました。

生前、母さんは善幸の事を心配し、身の回りの事や病院での薬、後色々な手続などは聞かされていました。
家の中の事も何がどこにあるか色々と聞きたかったのですが、それは死を認める事であり、聞けませんでした。
そしていざ、身の回りの事をやると風呂ひとつにしても、タオル・服・下着、また、食事・薬・おむつ(今はしていません)など、一つひとつが事前に準備が必要で、聞くとやるとでは大いに違いがあり、その大変さに母さんのありがたみが分かりました。

この5年間を見て、風呂の中やスーパーの買物途中の発作などいろんな事が沢山ありましたが、私が困った困ったでなく、本人がもっと困っている、苦しんでいると思えば少し楽になりました。
そして、善幸を通じて職員の方、保護者の方、また、多くの皆様から支えていただき感謝感謝です。
善幸から感動と癒やしをもらい、言葉は話せないが、何を思っているか何をしたいか少しは察して、今後も迷惑を掛けずに明るく元気で愛される子になってほしいです。
5年経ってもまだまだ新米父さんで、母さんには近づけませんが、これからも出来る限り寄りそっていきたいと思います。